ダイヤモンド市況概況
インドは供給量は少なく取引も限定的、中国は旧正月の需要に期待、香港の市場は静か2013/01/08
◆香港では、正月開けの通常の取引であり、年末と比べても特に大きな変化はなく静かである。引き続き0.3~0.8ctのG~I、VS1~SI1レンジ の、特にメイクの良いものに対する需要がある。香港政府統計処発表の昨年11月の小売売上高は、前年同月比9.5%増の365億HKドル(約4,120億 円)で、伸び率は前月の3.9%増に比べ大きく改善した。数量ベースの伸び率は8.1%増で、前月の3.6%増から持ち直した。また、宝飾品・時計・高級 贈答品は数量ベース11.5%増と2桁成長。政府報道官は雇用情勢が安定的に推移し、観光客が増加傾向にあることが当面は小売業界を支えると分析するが、 外部環境は依然として不透明な状況が続いている。
◆中国では、休暇中の会社が多く卸売取引は静か。中国の経済見通しが改善され、旧正月シーズンの小売り売上向上への期待が高まっている。小売業者は、最近 の研磨石価格の安定維持及び市場が底を打ったか否かなど、不確定要素への警戒感からダイヤモンドの仕入れに慎重で、多量の在庫注文を控えている状況。休暇 を前に0.30-40ctのH+、VS-SIの商品需要が増加している。
◆インドは、米国やヨーロッパのバイヤーがクリスマスから新年にかけて休暇中のため研磨石の取引は制限されている。中国などの「GIA Dossier」需要により、スモールサイズの商品が注目されている。国内需要が弱含みで推移するなかSIクラリティの需要は堅調だが、継続的に供給量が 少ない。また、原石取引に関しては、研磨業者の減産体制が続いているため全体的に需要が増加せず取引は限定的である。
◆その他、米国宝飾雑誌( National Jeweler )編集者による2012年度の10大ニュースの一番目に、合成ダイヤが多く市場に出てきたこと、そして二番目に大手鉱山会社の構造変化(デビアスの株主変 化とボツアナへの本拠地移転、BHPのダイヤ事業からの撤退、リオティントのダイヤ事業の分離等)を報じている。