ダイヤモンド市況概況
香港市場は静か、中国の景気減速深刻化の恐れ、インド地元需要が低迷2014/05/07
◆香港市場は非常に静か。
香港の政府統計処が発表したデータによると、3月の香港のジュエリー・時計などの高額贈答品の小売売上高は、香港79.12億ドル(約1040億円)であり、前年同期比8.9%減、数量ベースでは6.9%減となった。
◆5月5日HSBC発表の4月の中国製造業購買担当者指数(PMI)改定値は48.1。4カ月連続で製造業の活動が縮小したことが示され、同国は景気減速が一段と深刻化する恐れがある。今年の中国経済は既に1990年以来の低水準に鈍化すると予想されている。
中国政府は民間セクターの投資促進によって経済成長を支援する可能性がある改革措置をさらに導入しているが、経済が勢いを増すのを確実にするためにはより大胆な行動が必要とHSBCのエコノミストが発言。
◆インドでの地元需要はインド総選挙(4/7~5/12)期間中、先行き不透明感から低迷。
GIAのレポート作成の遅れによる品薄状態が報告されており、商品不足が加速することが懸念されている。
GIA dossier付J-M, VS-SIのポインター・サイズが堅調、1ctの商品需要が増加。
原石の取引は流通市場での価格伸び悩みを受けやや鈍化している。
◆インドのジェム&ジュエリー輸出促進協議会(GJEPC)が発表したところによると、2013年度の同国の宝石とジュエリーの輸出は前年同期比11%下落(347.5億ドル)との事。
一方研磨石ダイヤの輸出は12.65%上昇の196.4億ドル、ラフダイヤの輸入は11.98%上昇の167.2億ドルとなり、ダイヤ部門の堅調な成長が見られた。同国の主な輸出先シェアは35%がUAE、28%が香港、14%が米国となっている。
◆RapNet Diamond Index(D-H,IF-VS2)の平均価格は、前月比-0.3%~-1.6%となり、全てのサイズが下落。
また、ベスト価格は0.5ctと0.7ct以外は全て下落となっており、下落基調が鮮明。
◆サザビーズNY「Magnificent Jewels」(4/29開催)にて15.23ct、Fancy Intense O range Pink‐VS2が$6.1M ($400K/ct.)で落札、当日の落札総額は$44.3M。
◆ブルーナイル(Blue Nile Inc.) の第1四半期売上は$104Mと7%増加、利益は30%増加し$1.1M。
◆国連はキンバリー・プロセスによるコートジボワールへの制裁を解除した。
同国は2005年よりダイヤモンド原石の輸出が禁止されていた。
Rapaport® DiamondsNet 「Market Comments 5/1/2014」より一部抜粋