ダイヤモンド市況概況
香港市場は静か、中国では金購入に慎重姿勢、インドでは研磨石の品薄感が加速2014/05/13
◆香港市場は動きなく静か。
GIAのレポート作成の遅れによる商品不足を回避のため、ディーラーはパーセル(未鑑定/ロット販売)での仕入に移行している模様。3ct以上の大粒ダイヤ需要が軟化。
「中国本土観光客の消費に陰り?」と香港各紙が報道。
大手宝飾品チェーン店では5月1日連休初日の来店者数が激減。
連休期間は通常時の60~100%増の売り上げに対し、今年は10~20%増止まり、客単価も1/3以下に減少した模様。
HSBCホールディングス発表の4月香港購買担当者指数(PMI・季節調整済み)は49.7となり、前月から0.2ポイント低下、昨年8月以来の最低値となった。
エコノミストは、「4月のPMIは中国本土からの新規受注量の低迷が影響し、第2四半期(4~6月)の伸びが減速していることを表している。」と述べた。
◆中国では繁忙期に当たる5月の第一週目以降、宝飾品の卸売市場が改善しているものの小売市場は静か。
GIA付0.30-0.50ct, D-J, VS-SI商品需要は引続き堅調。
「中国における2014の金需要の伸びは限定的」とのワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の報告もあり、中国では投資家や消費者が金購入に慎重になっている模様。
米国の利上げ観測から、金価格の下落を予想する市場関係者も多い。
◆インドでは内需低迷の影響で研磨石の取引が鈍化傾向。1ct, G-M, VS-SI商品が堅調、特にロー・カラーの商品需要が増加傾向。
銀行の貸付条件見直しにより、研磨業者間での原石調達が難しくなりつつあり、高い原石価格と市場への研磨石供給の遅れが品薄状態を加速させている。
◆RapNet Diamond Index(D-H,IF-VS2)の平均価格は、前月比+-0%~-0.5%となり、下げ渋る。
また、ベスト価格は前月比+1.8%(0.7ct)~-0.8%(1.0ct)と、高安まちまちだが、ほぼ安定した様子。
◆米国ダイヤリサイクル市場は、流通体制が固まり発生量は保守的にみても約960億円(販売価格)。
最大手の1社、White Pineの取扱高は年間50%上昇、今年も同様の伸びを見込んでいる。
リサイクル・ダイヤは一般的に低額メレーが主だが、3ct以下の大粒石の増加が顕著。
米国には小売ベースで約100兆円超のダイヤ・宝飾品が存在している。(「DIB 30 April 2014」より)
◆為替相場はドル安基調。人民元は中国輸出が予想外に増加、貿易黒字拡大を材料に上昇。
Rapaport® DiamondsNet 「Market Comments 5/8/2014」より一部抜粋