ダイヤモンド市況概況
香港の民主化デモによる小売販売減少が深刻、カッターは原石価格高騰によりラウンド研磨から変形ダイヤに移行2014/10/14
◆香港の民主化デモは香港への旅行者減少を招き、小売店舗の一時閉鎖などにより繁忙期である国慶節に伴うゴールデンウィークの売上に影を落とした。
◆原石取引はスローだが、ALROSA とDe Beersは10月の販売において一部アイテムの需要増加により安定価格を維持している。
研磨業者は10月23日のDiwali祭を目前に増産体制に入っている。
◆ファンシーカット・ダイヤ市場では形状の優れたものや、大きなサイズの需要が堅調。
カッターは、原石価格高騰に伴い同一品質でのラウンド研磨からファンシー・カットに移行している。
大粒石はエメラルド・カットやプリンセスなど四角形より、ペアやオーバルなど曲線系の需要が高い。
バイヤーは形状及びカット品質により極端な価格差が生じるファンシー・カットの仕入れに慎重な様子。
形状の悪いファンシー・カットは、大幅な値引きにおいても販売が難しい状況。
◆RapNet Diamond Index(D-H,IF-VS2)はほぼ全てのサイズが下落(前月比)。
平均価格は、全てのサイズにおいて-0.1%(0.7ct)~-1.7%(0.3ct)の下落となった。
ベスト価格は特に2.0ctの下落率が-5.2%と高く、0.3ctが-3.2%、1.0ctが-3.0%となり、0.7ctが+0.4%となった他は、ほぼ全てのサイズにおいて下落。
◆希少なピンクダイヤモンド、過去最高19億円で落札。
香港にて7日、インタナリーフローレス(IF)のファンシービビッド・ピンクダイヤモンド8.41ctが1,770万ドル(約19億円)の記録的な価格で落札されたと、競売大手サザビーズ(Sotheby's)が発表した。サザビーズ・アジアは、ペア・シェープのこのダイヤモンドについて、「多くの入札を経て、1億3,788香港ドルという素晴らしい価格で落札され、ファンシービビッド・ピンクダイヤモンドのオークションでの世界記録を打ち立てた。」と述べた。
買い手については現時点で明らかにされていない。
Rapaport® Diamonds.Net「Market Comments 10/8/2014」等より一部抜粋