ダイヤモンド市況概況
香港では研磨石の取引が鈍化、インドの研磨業者は米国市場での在庫処分に期待2014/11/11
◆香港では中国の需要減少を受け研磨石の取引が鈍化。
バイヤーは中国の旧正月を前に、米国のホリデーシーズンでの市場動向に着目している。
0.30-5.0ct, D-F, VS-SI, 3EXの需要が堅調。
バイヤーの債務不履行懸念から、多くのダイヤ業者は委託を一時停止。
中国政府の送金取り締まり強化により、研磨業者やディーラーの資金繰り懸念が高まっている。
◆インド市場は今週から通常取引が再開。
研磨業者やディーラーは資金繰りの為、膨大な在庫処分の対象を米国市場に求めている状況。
GIAの鑑定書作成遅延の解消を受け、ディーラーは商品の供給過剰に直面している。
原石の取引は、先週のDe BeersとALROSAのサイトでの価格動向を探る展開でスロー。
消費者の宝飾品需要は結婚シーズン中で安定している。
◆11/5のRapNet Diamond Index(D-H,IF-VS2)は、平均価格、ベストプライス共に全てのレンジで下落（前月比）となった。
特に、平均価格では0.3ctが-4.3%、2.0ctが-2.7%、ベストプライスでは0.3ctが-4.0%、2.0ctが-3.1%と高い下落率を示している。
◆ラパポートの発表によると、10月の研磨済みダイヤ価格は、世界的な需要が弱いまま、ユダヤ人休日とインドのディワリを迎え、さらに下げが続いた。バイヤーは下向きのトレンドの中で更に下がるのではとの期待感から、市場での大規模な購入は避けているとの事。
この1年間でのRapNet Price Index（RAPI™）の変動は0.3ctが3.3%増、0.5ctが5.1%増となったが、1.0ctは5.9%減、3.0ctは4.0%の減少。しかし、この10月の1ヶ月間は全てのレンジで下落（0.3ctは3.7％、0.5ctは2.1％、1.0ctは2.2％、3.0ctは1.5％の減少）した。
10月の原石取引は研磨業者が第４四半期のホリデーシーズン向けの十分な在庫を持っている事から減速、今後流通市場で軟化した取引は、落ち着いて推移すると予想されている。
De Beersの価格は基本的に安定していたが、原石の需要は弱く、今後数ヶ月間で市場価格が更に軟化するとの見方がある。研磨業者は、利益率と資金繰り改善のため研磨石の価格がホリデーシーズン中に安定する事を期待している。
Rapaport® Diamonds.Net「Market Comments 11/6/2014」等より一部抜粋
