ダイヤモンド市況概況
インドで世界ダイヤモンド会議開催、ALROSAはインドへの原石供給を加速2014/12/16
◆12月11日、ロシアのプーチン大統領とインドのモディ首相出席の下、世界ダイヤモンド会議が開催。
モディ首相は、インドのダイヤモンドメーカーとの長期的な原石供給契約を締結するため、ALROSAはじめ他の鉱山会社に呼びかけた。
また、ロシアに対して、インドが原石を輸入し研磨後のダイヤを再輸入する際の税金を廃止するよう強く勧めた。
ジェム&ジュエリー輸出促進協議会(GJEPC)の会長ビパル・シャー氏は、インドのダイヤモンドメーカー12社がALROSAとの原石供給契約(3年間)を締結したと発表。期間中は、ダイヤモンドメーカーが直接ALROSAから原石を調達する(21億ドル相当)との事。
WFDB Presidentのアーニー・ブロム氏は、ダイヤモンドジュエリーのマーケティングプランと戦略を開発するための責任は、もはや鉱業家に頼るのではなく、業界の責任となっていることを指摘。
ダイヤモンドの鑑定書に関連する問題も取り上げられ、WFDBはグレーディング基準と方法論の議論を促進する為、2015年の早い時期に会議を開催予定。この会議には業界の人々と世界中の主要なラボが含まれていると述べた。
◆バイヤーの低価格需要により取引が急激に悪化、研磨石は値下げ圧力に直面しているとラパポートが警告。
一部のサプライヤーは現金調達のため大幅値引きを実施している模様。
研磨石と原石価格の不均衡により市場は不安定な状況。
◆香港での取引は、香港及び中国市場を反映し静か。
高級宝石店は第4四半期の売上が前年対比で大幅減となる見通し。
在庫過多の状況下、ディーラーは受注した特定品目に焦点を当てている状況。
サプライヤーは中国政府の反腐敗キャンペーンの一環である資本規制によるバイヤーの債務不履行を懸念している。
◆インドのダイヤ取引は鈍化。
研磨業者間で資金不足懸念が深刻化。
研磨業者の利益率圧迫により、多くの小規模工場の閉鎖が報告されている。
ディーラーや卸売業者、小売業者は既存在庫の処分方法を検討中。
米国需要が堅調に推移する中、東アジアの需要は振るわず。
ムンバイにて商品を探す外国人バイヤーは非常に少数。
高い値引きと更なる価格軟化が予想される中、バイヤーは仕入に慎重。
小売販売は結婚シーズンのため安定している。
◆12/10のRapNet Diamond Index(D-H,IF-VS2)は、平均価格・ベストプライス共に、全てのレンジで下落。
平均価格は0.3ctが-2.4%、3.0ctが-1.4%など、ベストプライスでは0.3ctが-1.8%、2.0ctが-1.7%などと、前月比の下落率は低くなりつつあるが、更なる価格下落への警戒感も拭えない。
Rapaport® Diamonds.Net「Market Comments 12/11/2014」等より一部抜粋