ダイヤモンド市況概況
ラウンド・ラパ価格下落、中国の旧正月に向け小売業者の販売期待高まる2015/01/06
◆ラウンドのラパポート・ダイヤ価格がほぼ全てのレンジで下落した(2014/12/26更新)。
12/31のRapNet Diamond Index(D-H,IF-VS2・前月比)は、平均価格・ベストプライス共、全てが下落。
平均価格は0.3ctが-3.5%、3.0ctが-2.0%。
ベストプライスは0.3ctが-3.4%、0.5ctが-2.9%などとなり、先週よりも下落率が高くなっている。
特に昨年後半以降、0.3ctは下げが顕著。
◆香港市場は昨年のクリスマス前にやや持直したものの、一部のディーラーは財源確保のためバイヤーに柔軟に対応しており買い手市場となっている。
0.30-0.50ct, D-F, VVS+ の商品に安定した需要が見られる。
小売業者はセントラル占拠の終結により香港への訪問者が増大し、繁忙期である中国の旧正月に向けた好調な販売に期待を寄せている。
◆香港の11月小売売上高4.1%増。
香港政府統計処が発表した11月の小売売上高(速報値)は、前年同月比4.1%増の412億6,300万HKドル(約6,373億2,700万円)で、4カ月連続でプラス成長を維持。
伸び率は10月の1.4%から改善。物価変動の影響を除いた数量ベースでは7.5%増。
品目別(金額ベース)では宝飾品・時計・高級贈答品が2.0%減と2カ月連続でマイナス成長となった。
1~11月の小売売上高は金額ベースで前年同期比0.2%増の4,454億9,200万HKドル。数量ベースでは0.8%増。
◆インドの研磨石市場は米国及び中国の在庫需要が少なくスロー。
結婚シーズンの最中、内需も鈍化傾向。
サプライヤーの資金調達の必要性を逆手に取り、バイヤーは高い割引率を求めている模様。
米国でのピケ需要が堅調のため、市場での商品不足が報告されている。
鑑定時間削減のため、中国ではVS-SIのパーセル商品の需要が高まる中、GIAでの滞留時間が短縮され、多くの商品が市場に戻されたため0.30-0.40ctのdossier付商品需要が軟化している。
0.50-1ct, G-J, VS-SIの商品需要は堅調。
ファンシーカットでは、オーバルやクッションの人気が高い。
原石価格が高止まりで推移する中、研磨石価格の下落が続き研磨業者の利益率が低下、研磨量の減少を招いている。
インドの研磨業者は、研磨石の在庫を多く抱えており今後も減産体制を継続する模様。
研磨業者の資金繰りと原石価格は2015年も懸案事項となっている。
◆HSBC発表の12月中国製造業購買担当者指数(PMI)改定値は49.6となり、11月の50から低下。
また、中国国家統計局発表の数値は50.1(前月の50.3から低下)となり2014年で最低の水準を記録。
市場では急激な景気減速を防ぐ為、追加の対策が講じられる可能性が高いとの見方が根強い。
Rapaport® Diamonds.Net「Market Comments 1/1/2015」等より一部抜粋