ダイヤモンド市況概況
香港・インド市場は中国の旧正月最終需要により一時的に改善2015/02/10
◆香港の研磨石市場は中国の旧正月を前にディーラーが最終注文に対応しており一時的に改善している。
ディーラーは香港ショー(3/2-8)での需要喚起を模索している状況。
0.30-0.90ct, E-H, SI, 3EXの商品需要が堅調に推移、1ct, J-M, VVS, VG+の需要もやや高まっている。
中国人民銀行による金融機関への預金準備率引下げにより、企業の資金繰り及び消費者需要の改善が期待されている。
◆インド・ムンバイ市場はスローだが中国の旧正月関連の需要もあり安定している。
米国では引き続きI1-I2人気が高いが、米国の小売業者は在庫を抱えており需要は限定的。
東アジアや中東の需要は鈍化傾向。
研磨業者の更なる生産量減少に伴い一部の商品が不足状態。
2ct以上のエメラルドやクッションなどのファンシー・シェープに安定した需要がある反面、1ct未満のプリンセスやマーキース・カットの需要は弱い。
研磨石価格の下落率に対し、原石価格の高止まり感から原石需要は減少。
◆2/4付のRapNet Diamond Index(D-H,IF-VS2・前月比)は、プラス転換のサイズが多くなり、下げ止まり傾向。
平均価格は0.3ctが-1.2%、0.5ctが-0.9%、3.0ctが-0.1%となった他は全て上昇。
1.0ctが+0.8%、0.7ctと2.0ctが0.2%、1.5ctが0.1%となった。
ベストプライスは1.0ctがプラス転換(+0.3%)したが、3.0ctの-3.5%、0.5ctの-2.1%、1.5ctの-2.0%が比較的高いものの、下げ幅は縮まる方向。
◆2015年のダイヤ価格と生産量予測。
Paul Zimniskyの調査によると、2015年の世界のダイヤモンド原石生産は、昨年の1.31億ctから3%上昇して1.35億ctを超える見込みとなり、予想価格は昨年比2%減の103USドル/ct。
昨年10月のアントワープダイヤモンド銀行閉鎖により、原石価格が3~5%下落した事が業界全体の資金繰り懸念につながったとの事。
加えて中国の成長鈍化、日本とEUなどのデフレ圧力、そして複数の地政学的緊張が原石価格の下落要因となり、2015年前期も継続すると予想。
◆Sotheby'sのジュエリー売上が過去最高記録。
2014年度のサザビーズの高級ジュエリー売上高は6億250万USドルとなり、過去最高となったと同社が発表。
3,900以上あったロットの内、77個は100万USドルを超える商品だったとの事。
主に中国・ロシア・中東の富裕層顧客による、最高品質のサファイア・ルビー・エメラルドへの飽くなき需要が価格を押し上げている。
Rapaport® Diamonds.Net「Market Comments 2/5/2015」等より一部抜粋