ダイヤモンド市況概況
香港市場は低調、インドでは大企業倒産の噂が市場の警戒感を増幅2015/04/21
◆香港市場は、景気減速による先行き不透明感により低調。
ほとんどの小売業者は在庫の仕入を控えており需要は限定的。
中国本土の消費者の多くは、ユーロ安を背景に高額品の購入を香港からヨーロッパにシフトしており、地元小売店の販売減少は避けられない状況。
最近発表された中国のマクロ経済指標は、経済成長が減速していることを示唆している。
2014年終盤、宝飾品小売大手の在庫量が増加、平均的な商品回転率が悪化している模様。
中国政府は、中国本土から香港への数次ビザ登録の引締めを発表、一部富裕層の購買意欲減退を招いている。
◆インド市場は外国人バイヤーが少なくスロー。
大企業の倒産の噂が市場の警戒感を増幅させているが、噂の信憑性は低い。
IndusInd Bankがダイヤモンドへの融資業務を引き継ぐとのABN Amroの発表以降、市場心理はやや持ち直している。
0.30-0.40ct, 1ctのD-I, VSや1ct以下の3EX需要が堅調。
クッションやプリンセスの需要は軟調だが、他の全てのファンシーシェイプには安定した需要がある。
ALROSAは直近の長期契約販売で価格を引き上げた後も原石価格は維持している一方、鉱山会社は大量の原石購入の延期を認めている。
◆4/15付のRapNet Diamond Index(D-H IF-VS2、前月比)は下落傾向。
平均価格は+1.0%(3.0ct)、+0.8%(1.0ct)から-0.8%(0.3ct)、-0.5%(0.5ct)の間で微増・微減となっている。
一方ベストプライスは全てのレンジで下落。
1.5ctは-2.6%、3.0ctは-2.0%などとなり下落率が高いが、0.7ctは-0.3%、1.0ctは-0.5%と微減に留まっているものもある。
◆香港大手小売チェーン店の第4四半期決算の内容は悪く、同期間の周大福の小売売上高は9%減少(中国本土は3%減、香港マカオが21%減)、六福の既存店売上は20%減少(中国本土は5%減、香港マカオは22%減)するなど、市場の地合いは悪い。
Rapaport® Diamonds.Net「Rapaport Weekly Report 4/17/2015」等より一部抜粋