ダイヤモンド市況概況
香港市場でのダイヤ価格維持志向強まる、インド市場は研磨業者の一時休暇、減産により低調2015/04/28
◆香港の研磨石市場は、以前のような値引き販売よりも価格維持志向が強く、静かだが安定している。
市場では1-2ct、VS-SIやJ-M, IF-VVSなど品薄状態。
中国本土での宝石の販売が堅調な半面、香港への観光客が減少し宝飾品の小売販売が振るわない状況。
◆インドでは一時休暇に入る研磨業者もあり取引は低調。
中小研磨業者の多くは、不必要な在庫構築を避けるため生産量の減少または工場を一時的に閉鎖している。
大手研磨業者は値引販売はせず商品を保持する意向。
米国のピケ需要は引続き堅調、0.25-0.40、D-I, VS1-VS2に安定した需要がある。
原石取引は静か。
◆4/22付のRapNet Diamond Index(D-H IF-VS2、前月比)は下落傾向。
平均価格は0.3ct(-4.9%)と0.5ct(-2.4%)の下落率が特に高い。
他は-1.1%(1.5ct)から-0.2%(1.0ct)の間で微減、3.0ctのみは+0.1%の微増となった。
ベストプライスは2.0ctが-3.2%、1.5ctが-3.0%と下落率が高い。
他は-1.9%(3.0ct)から-0.4%(0.5ct)の微減、1.0ct(+1.3%)と0.7ct(+1.1%)は微増となるなど全般的には低調。
◆ドバイで行われていたダイヤモンド会議2015ではいくつかのパネルディスカッションが行われた。
「合成ダイヤモンドは、今後10年間に予想される天然ダイヤモンドの供給不足分を一部補うことができる。今後数年間で合成ダイヤモンドの生産は増加するだろう」と、パネルメンバー間で意見が一致。
また、ダイヤモンド業界にとって最重要課題である金融問題についての議論には、150以上の業界専門家が参加。
ドバイダイヤモンド取引所(DDE)、DMCCイニシアチブは、グローバルなダイヤモンド業界のための問題の重要性の高まりを強調し、ダイヤモンドの資金調達のセミナーを今年3回開催することを計画。
「資金調達は現時点でタイヤモンド部門の唯一最も重要な課題である」とPeter Meeus(DDE会長)が語った。
◆De Beersは2015年第1四半期のダイヤモンド生産量を発表、前年同期比2%増の766万ctに。カナダが25%増、DCBM(南アフリカ)が14%増となった一方、Debswanaは2%減。年間生産量は現在の取引状況を勘案して3,200~3,400万ctから3,000~3,200万ctに抑えるとの事。
◆Sotherby's New Yorkのオークションで100.2ctのエメラルドカット(D-IF)のダイヤが2210万USドルで落札。
無色ダイヤの最高値を更新した。
Rapaport® Diamonds.Net「Market Comments 4/23/2015」等より一部抜粋