ダイヤモンド市況概況
中国の関税削減に香港業者の懸念増幅、インドの一部業者は休暇延長により工場閉鎖2015/06/02
◆ラスベガスショー(5/29-6/1開催)に参加した業者もあり香港での取引はスロー。
0.50-0.60ct、F-G、VVS2-VS1、3EXの需要が安定しているが、バイヤーは仕入に慎重。
中国本土からの観光客減少に伴い香港での小売売上高が鈍化。
中国政府は、国内の個人消費拡大を狙い6月1日より多くの輸入品目の関税を削減した。
新たな政策にダイヤモンド及びダイヤモンドジュエリーの輸入税の変更は含まれていないが、中国本土の一部顧客による高額品購入が期待されている香港では、ダイヤモンド販売への影響を懸念する声もある。
◆インド・ムンバイ市場は静か。
0.20-0.50ct, D-H, SI-Iのパーセル商品が堅調、3ct以上の大粒石の需要は弱い。
1ct以下のSI-Iのマーキースやオーバル、0.50-0.60ct、G-J、VS-SIのプリンセスに安定した需要がある。
研磨業者が減産体制を維持する中、一部の小規模業者は休暇を延長し工場を閉鎖している。
研磨業者の資金繰りは未だタイトな状況。
◆5/27付のRapNet Diamond Index(D-H、IF-VS2、前月比)は、一部を除き下落率に落ち着きが見られる。
平均価格の下落率は0.5ctが-4.4%、0.3ctが-3.4%、0.7ctが-2.4%となるなど、ポインターは依然下落率が高いものの先週よりは低めの値となった。
他は-1.3%(2.0ct)から-0.2%(1.5ct)以内の下落率となった。
ベストプライスは先週とほぼ変わらず、0.5ctが-1.6%、0.3ctが-1.5%、0.7ctが-0.6%、2.0ctが-0.4%などと、下落率は-1.6%以内に落ち着いている。
また、1.0ctと1.5ctが0.4%、3.0ctが0.1%の微増となった。
◆香港・中国の宝飾品小売大手の一角である六福集団は、De Beersと3年間のサイトホルダー契約を締結したと発表。
◆ダイヤモンド鉱山主要7社(Alrosa, Anglo American's De Beers, Rio Tinto, Lucara, Dominion, Petra, Gem Diamonds) はダイヤモンド生産者協会(the Diamond Producers Association 略称 DPA)を設立し、合成ダイヤの拡大による脅威に対抗する。
ハイエンド消費者に高級品としてのダイヤモンドを促進し、天然ダイヤモンドの魅力を紹介。
同協会は年間600万USドルの予算をかけるとの事。
Rapaport® Diamonds.Net「Market Comments 5/28/2015」等より一部抜粋