ダイヤモンド市況概況
香港小売各社、中国本土からの旅行客減少により経営計画修正2015/06/09
◆香港市場は、地合い悪く閑散。
香港の小売業界は中国本土客への依存度が高い。
時計や宝飾品など各社は、本土旅行客の「爆買い」で力強い販売の伸びをみせていたが、旅行客の減少に伴い消費額が落ち込み、この1年間で店舗閉鎖や拡張計画の凍結に追い込まれた大手企業も出ている。
周生生集団は過去12カ月で店舗数が減少、六福集団は店舗数増加の伸び率が下がり、周大福は今年銅鑼湾(コーズウェイベイ)とピークの2店舗を閉鎖する方針。
また、英皇鐘表珠宝は家主と賃料値下げ交渉をするなど、環境が厳しい。
◆インド・ムンバイでの取引はスローながら、安定した需要がある。
ラスベガスショーから帰国した業者の心理は複雑だが、米国市場については楽観的。
0.30-0.40ct及び3ct以上の大粒石の需要が弱いが、1ct, D-H, VVS-VS需要は堅調。
市場では、メレ・ロットへの合成ダイヤ混入が懸案となっている。
研磨業者はDe Beersサイト(6/8-12)での安定した価格を期待しつつも、利益確保には原石価格が未だ高すぎることに不満を抱いている。
◆6/3付のRapNet Diamond Index(D-H、IF-VS2、前月比)には、下落率に落ち着きが見られる。
平均価格は0.5ctが-2.9%、0.3ctが-2.8%、0.7ctが-2.0%となるなど、ポインターの下落率は高いものの、先週よりは低めの値となった。他は-1.6%(1.0ct)から-0.2%(1.5ct)以内の下落率となった。
ベストプライスも先週との比較で落ち着き感が出る。0.7ctが-0.9%、0.3ctが-0.8%、1.5ctが-0.7%、1.0ctが-0.4%、0.5ctが-0.7%と、下落率は-1.0%未満に落ち着いている。
また、2.0ctが1.9%、3.0ctが1.2%の上昇となり、2ctupの大粒ダイヤの価格・需給の変化が注目される。
Rapaport® Diamonds.Net「Market Comments 6/4/2015」等より一部抜粋