ダイヤモンド市況概況
香港小売業者の需要鈍化、インドでは研磨量大幅削減2015/06/16
◆香港市場は静かだが安定している。
地元小売業者の需要は、弱い経済及び中国人観光客の減少により改善が見られない。
0.30-0.40ctの需要が鈍化する中、1ct、I-K、VS-SI需要は安定している。
一部の外国企業では、中国人バイヤーの債務不履行への懸念が高まっている。
6月の香港フェアへの期待度は比較的低い。
◆インド・ムンバイでの取引は鈍化。
現地の大手研磨業者は、ラスベガスショーでの主要顧客からの安定した需要に満足している。
0.30-0.40ctの需要が鈍化する中、1-1.50ct、D-H、VS-SI1、3EXの需要が堅調。
オーバル、ペアに安定した需要があるが、スクエアの動きは鈍い。
原石価格は安定しているものの、カッターが利益を得るには未だ高すぎる状況。
研磨工場は研磨量を大幅に削減し操業している。
◆6/10付のRapNet Diamond Index(D-H、IF-VS2、前月比)には、落ち着き感がある。
平均価格は0.3ctと0.5ctが-1.2%、0.7ctが-0.9%、1.0ctが-0.8%、2.0ctが-0.2%となるなど下落率が低下、3.0ctは0.8%、1.5ctは0.5%と上昇に転じた。
ベストプライスはまちまち。0.5ctが-1.4%、0.3ctが-0.9%、0.7ctが-0.8%、2.0ctが-0.6%、3.0ctが-0.2%と、下落率は-1.5%未満に落ち着いている。
また、1.5ctが+0.5%、1.0ctが0.1%とわずかに上昇した。今後1.0ctupの価格・需給変化が注目される。
◆ジンバブエ、1-5月の原石売上高合計がUS7,600万ドルに。
ジンバブエ鉱物マーケティング会社(MMCZ)によると、ジンバブエの今年1-5月の原石販売額はUS7,592万ドル(140万カラット)となった。
昨年、MMCZが新たに建設したダイヤモンド販売施設で最初のダイヤモンド入札を実施。
入札は133社の410名のバイヤーを集め、アントワープやベルギー、ドバイなど他国での開催と同様、成功裏に終了。
◆ベルギーと中国のダイヤモンド産業の発展を促進する目的で、AWDC(The Antwerp World Diamond Centre)とDAC(The Diamond Administration of China)が覚書を締結。
二国間での市場情報と業界動向の情報交換、ダイヤモンド貿易と投資の共同プロモーションの開発など幅広い合意がなされた。
また、AWDCとDACは共同で、中国でのHRDアントワープの活動を支援していくとのこと。
Rapaport® Diamonds.Net「Market Comments 6/11/2015」等より一部抜粋