ダイヤモンド市況概況
香港、ムンバイ市場共に低迷、市場心理が悪化2015/09/29
◆9月の香港ショーは来訪者、取引高共に前年対比で減少した模様。
ディーラーは8月の小康状態後、販売機会が得られたことにやや満足している様子。
バイヤーは慎重で、ダイヤ価格が適正か否か様子見の状況。
需要は受注品が主で、在庫構築のための仕入は非常に少ない。
10月1日の国慶節に伴う大型連休の期間中、宝石販売への期待感から小売市場が着目されている。
◆インド・ムンバイの市場心理は弱く、取引量は例年を下回っている。
0.50-2ct、G-J、SI-I2に安定した需要がある。
2ct upの地元での需要は弱い。
この1年の減産によりアイ・クリーンで良いメイクの商品が不足している状況下、研磨業者は低品質ダイヤを大量に保持している。
研磨業者の減産体制は継続しており、11月のDiwali休暇以前に急激な増産は期待できない。
原石の取引は安定しているが、最近の原石値下げによる需要喚起の効果は見られない。
◆9/23付のRapNet Diamond Index(D-H、IF-VS2、前月比)はベストプライス・平均価格とも全てのレンジが下落。
ベストプライスは3.0ctが-6.2%と下落率が際立って高い。
また、1.5ctが-3.7%、2.0ctが-2.9%、0.3ctが-2.8%、1.0ctが-2.6%。0.5ctが-1.7%、0.7ctが-1.6%となった。
平均価格は0.3ctが-4.0%、0.5ctが-2.8%と高い値を示した。
他は1.0ctが-1.8%、0.7ctと2.0ctが-0.9%、3.0ctが-0.8%、1.5ctが-0.7%。
◆デビアスグループのダイヤモンド・インサイト・レポート2015によると、2014年の世界のダイヤジュエリー需要は3%増加し、初めてUS800億ドルを超えた。
また、ダイヤ原石の生産はUS190億ドルと6%増加したが、生産量は1億4,200万カラットと3%減少。
世界のダイヤモンド需要の75%を占める上位5か国(米国、中国、日本、インド、中東湾岸地域)の全てで2014年の消費者需要が増加。
中でもインドのダイヤモンド消費者市場は、過去20年間でほぼ途切れのない成長を遂げた。
今後10年間でのインドの中産階級の成長は、ダイヤモンドの需要拡大に大きく貢献することが予想されている。
(Rapaport® Diamonds.Net「Market Comments 9/24/2015」等より一部抜粋)