ダイヤモンド市況概況
原石価格急騰、増産により大量の研磨石が市場に流入2016/02/23
◆流通市場でのダイヤモンド原石の価格が急上昇しており危機的で維持できない状況。
現在の研磨石の価格水準は、2015年の半期に原石の供給が42%減少したことによる品不足を反映している。
全体的な需要が弱い状況下、研磨業者は通常の生産体制に移行しており大量の研磨石が市場に投入される模様。
De Beersは2015年通年の売上高が34%減少の47億ドル、利払い・税引き前利益(EBIT)が58%減の5億7,100万ドルと発表。
原石の売上高は、36%減少し41億ドル、半期の売上高は53%減少し14億ドルとなった。
ALROSA の2015年の原石売上高は、推定30%減少し34億ドル、半期では26%減少し16億ドル。
◆香港市場は静か、ディーラーは旧正月の休暇から戻りつつある。
中国人バイヤーは香港ショー(3/1-7開催)に期待しているが、中国経済の減速や株式市場の低迷などから需要は不透明。
◆インド市場は、中国の旧正月で中国人バイヤーが休暇をとっており比較的スロー。
ディーラーは香港ショーの準備に入っており、今後数週間以内に取引改善が期待されている。
米国及び中東の需要は堅調。
0.30-0.50ct.及び1-1.50ct、G-J、VS-SI需要が底堅い。
最終需要が不透明の中、研磨業者は生産量を増大させている。
原石の取引は堅調、ディーラーによるとDe Beersの原石はALROSAのものより良質とのこと。
◆2016/2/17付のRapNet Diamond Index(D-H、IF-VS2、前月比)は高安まちまちで、落ち着いた感じ。
ベストプライスは、0.5ctが+2.6%と高い他は、0.3ct、0.7ct、1.0ct、2.0ctが微増、3.0ctと1.5ctがやや下落。
平均価格はサイズにより微増と微減に分かれ、0.5ct、0.3ct、2.0ctがやや上昇、他は微減。
◆周大福の旧正月期間中の売上、昨年比29%減
周大福は中国旧正月期間中(1月25日~2月14日)の売上は昨年の旧正月前の14日間と最初の7日間(2015年2月5日~2月25日)と比べ、29%の減少となったと発表。
既存店売上高は中国本土が31%減少、香港マカオが22%減少した。
中国本土から国内・香港マカオ以外への旅行費用や、景気減速・株式市場の変化で消費者心理が冷え込んだことも一因。
Rapaport® Diamonds.Net「Market Comments 2/18/2016」、REUTERS、周大福IR情報、香港ポスト等より一部抜粋