ダイヤモンド市況概況
5月De Beersサイト6.3億ドル、原石供給過剰により価格下落懸念増大2016/05/31
◆香港市場は中国需要低迷によりスロー。
5月のゴールデンウィークや母の日の小売販売は振るわなかった模様。
宝飾業者はコスト削減を進めている。
3-5ctの需要が低迷する中、1-1.30ctの動きは良好。
中国本土ではペアとハートシェイプが他のファンシーカットよりも需要が高い。
Hong Kong Jewellery & Gem Fair (6/23-26) は比較的小規模ながら地元出展者の誘致に力を入れている。
◆インドでは、多くの研磨業者が学校の休暇や減産などにより休業しており市場はスロー。
季節的な停滞は6月中旬まで続くと予想される。
東アジア、中東の需要は弱い。
De Beers サイト(5/16-20開催)での販売額は6.3億ドルとなり、原石の供給過剰により市場に商品が溢れ、研磨石の価格が下落するとの懸念が高まっている。
◆5月25日付のRapNet Diamond Index(D-H、IF-VS2、前月比)はやや下落。
ベストプライスは、2.0ctが-1.8%、0.3ctが-1.4%、3.0ctが-0.9%。
他、1.5ctが-0.2%の微減、1.0ctと0.7ctが横這い、0.5ctのみ+0.9%と微増。
平均価格も下落傾向が続き、3.0ctが-1.5%、0.3ctが-1.0%、0.5ctが-0.7%、1.5ctが-0.6%、1.0ctが-0.3%となり、2.0ctと0.7ctは横這い。
◆ALROSA Zarnitsa鉱山で最大の原石を発見。
ALROSAはYakutiaのZarnitsa鉱山で207.29ctの原石を発見したと発表。
この宝石品質の原石は38×37×18mmの大きさで、Zarnitsa鉱山が露天掘りの採掘を開始した1999年以来最大。
◆香港小売大手TSL(謝瑞麟)決算、利益が40%下落。
香港を拠点とするTSL (Tse Sui Luen)は2月末決算において、売上高8.6%ダウンの4億5,560万ドル、利益額40%下落の310万ドルと発表。
香港マカオ地区の売上は24%ダウンの2億1,830万ドル、中国本土での売上は13%増の2億3,120万ドル。
香港の政治的不確実性の継続、人民元の切り下げと緊縮政策による中国政府からのマイナス影響により観光客数が激減、消費者の信頼と購買力を直撃した。
消費パターンも、ハイエンド高級品から大衆向け商品にシフトしている。
Rapaport®Diamonds.Net「Market Comments 5/26/2016」等より一部抜粋