ダイヤモンド市況概況
夏期休暇に伴いダイヤ市場は静か、人民元安に中国人バイヤー警戒2016/07/12
◆米国のディーラーは夏期休暇に入っておりダイヤ市場は静か。 6月の研磨石価格軟化、RapNet Diamond Index 1ct. -0.5%、0.30ct. -1.6%、0.50ct. -0.4%、3ct. -2.4%。 人民元は対米ドルで5年ぶりの元安(6.69/$1)となり、宝飾品の輸入及び観光客の支出に影響を及ぼしている。
◆香港市場は観光客の減少及び消費者心理の悪化に伴い厳しい状況。 中国は香港よりも良好だが、中国人バイヤーは人民元安に警戒している。 消費者や投資家の為替変動リスク回避のため金需要が高まっている。 小売業者は資金繰り改善のため在庫処分を進めており、新たな仕入を控えている。
◆インドの市場心理は香港ショー以来悪化。 夏期のためムンバイの外国人バイヤーはまばらで取引はスロー。 IIJS Mumbai ショー(8/4-8)への期待度は低く、インド国内需要は慎重。 バイヤーが高い割引率を提示する中、サプライヤーは販売可能な価格で妥協し販売している模様。 研磨業者の6月の原石仕入はやや減少したものの、製造量は安定。 宝飾業者は、英国のEU離脱後の金価格反騰による販売不振やコスト上昇を懸念している。
◆7月6日付のRapNet Diamond Index(D-H、IF-VS2、前月比)は全てのサイズで下落し、下げ幅も大きくなっている。 ベストプライスは3.0ctが-2.4%、1.5ctが-1.8%、2.0ctが-1.1%、1.0ctと0.5ctが-1.0%、0.3ctが-0.7%、0.7ctが-0.3%。 平均価格は3.0ctが-3.4%、2.0ctが-2.3%と大粒石の下落率が際立って高くなっている。 他は1.0ctが-1.8%、1.5ctが-1.3%、0.3ctが-1.1%、0.7ctが-0.9%、0.5ctが-0.7%。
◆5月の米国の研磨済みダイヤモンド輸入額が2.3%上昇。 最新の政府統計によると、5月の米国の研磨済みダイヤモンド輸入額が昨年比2.3%上昇し、30.9億ドルとなった。 5月は毎年6月に開催されるLas Vegasショーの影響で輸入量が多くなる傾向にある 。 重量ベースでは1.3%増の140万ct、平均ガイ価格は2,263ドル/ctとなった。
Rapaport®Diamonds.Net「Market Comments 7/7/2016」等より一部抜粋