ダイヤモンド市況概況
宝飾品販売、トランプ政権に期待、中国のジュエリー需要安定2016/11/15
◆トランプ氏の勝利は米国の政治、社会、経済に大きな影響を与える。
新たな政策は、より豊かな中産階級や多くの裕福な消費者を生み出し、宝飾業界に恩恵をもたらすと予想されている。
◆インド市場は闇市場撲滅のための政府の取り組みに衝撃を受けている。
インド政府が現行の500ルピー、1,000ルピー紙幣の使用中止を発表後、消費者は金やジュエリーへの換金を急いだ。
一般銀行での500ルピー、1,000ルピー紙幣の換金期限は12月31日。
Diwali休暇以降、取引は停滞。
研磨工場は11月21日再開予定。
◆香港での取引は比較的静か。
ディーラーは特定の注文を満たす仕入に特化しており、在庫構築のための仕入は僅か。
小売業者は中国の旧正月への準備を進めているが、前年に比べ取引は鈍化。
9月の香港小売市場は低調、ジュエリーや時計、高額ギフトの売上高は12%減少。
中国でのジュエリー市場は安定している。
アリババの11月11日「独身の日」セール、過去最高の売上1.9兆円を記録。
◆11月9日付のRapNet Diamond Index(D-H、IF-VS2、前月比)は一部を除き下落。
ベストプライスは0.7ctが-2.2%、1.0ctと0.5ctが-1.4%、3.0ctが-0.3%、0.3ctが-0.1%と低調。
2.0ctが+0.9%、1.5ctが+0.6%と微増。
平均価格は0.7ctが-1.3%、0.5ctが-0.7%、1.0ctが-0.6%、3.0ctが-0.3%、1.5ctと0.3ctが-0.2%と軒並み減少する中、2.0ctのみ+0.6%と微増。
◆9月、香港のジュエリー・時計販売落ち込み緩和
香港政府統計處によると、9月の香港のジュエリーと時計の売上高の落ち込みは、観光客数の減少に歯止めがかかったことにより、今年で最も遅いペースとなった。
時計や他の高級ギフトを含む売上高は前年比12%減の6億7,580万ドルとなったが、前月比26.5%減と改善した。
小売全セクターの売上高も4.1%減の43.5億ドルと減少率が縮小。
ジュエリーと腕時計の売上高は年初からの9か月で、21.5%減の66億2,000万ドル。
◆Diwali期間中のジュエリー売上高、低い金価格の後押しにより上昇(インド)。
All India Gems & Jewellery Trade FederationのG.V.Sreedhar会長は「春のストライキに始まった約6か月間は危機的状況だった」と述べた。
KITCOによると1月から9月にかけて金価格は22%上昇した為、消費者は買い控えをしていたが、同氏によると昨年のDiwali期間中と比較し、売上高は25%増加したと推計。
特に北部、西部、東部で改善が見られ、南部も10~15%伸びたとの事。
また、インド最大の宝飾品ブランドの1つであるTanishqは、10月11日のDussehraとDiwaliの期間で39%の成長率を記録した。
シーズン中に金の販売が回復したため、ダイヤの販売も改善。
ただし、高額品よりも求めやすい0.5ct以下の一粒石の指輪の販売が好調であった。
Rapaport@Diamonds.Net「Market Comments 11/10/2016」等より一部抜粋