ジュエリーの価値を見極める際に、最初に確認するのが刻印です。
刻印には、実に様々な種類があります。
貴金属の種類、その品位(純度)、国がその品位を保証したもの(財務省造幣局品位検定マークもしくは単に検定マーク、ホールマークと呼ぶ)、製造会社や販売ブランド、デザイナーのマーク、使用されている石の種類や重量(ct)を表示したものなどです。
刻印は、品物の価値を見定める上で重要な情報が記されていますから、一般的な刻印は意味を知っている必要があります。
しかし中にはイミテーション(偽物)に本物の貴金属ジュエリーと同じ刻印が打ってあったり、オリジナル刻印で宝飾品の価値とは全く関係の無い場合もあります。
刻印は、あくまでも一つの目安と考えてください。
金・プラチナの見積りや買取りをする際には、刻印だけではなく様々な方法で真贋を確認する必要があります。
貴金属の刻印
金銀製品の品位証明制度は、1300年代にイギリスでエドワード一世が制定した品位証明が最初といわれています。
現在も貴金属を扱う会社では、慣習で品位証明記号をホールマークと呼ぶことがあります。これは、イギリスの金細工職人達のギルド本部であるGoldsmiths' Hall(ゴールドスミスホール)で品位証明記号が打刻されたことから、親しみを込めてホールマークと呼ぶようになり、現在もその慣習が残っているからだそうです。
日本では、1929年に造幣局の貴金属製品品位証明規則が定められ、国の検定がスタートしました。
日本の検定制度は任意なので品位表示のみの製品も沢山流通しています。
イギリスやフランスなど強制制度となっている国もあります。
現在の貴金属ジュエリーの品位を示す刻印は、世界的には千分率(750)で表すのが一般的で、造幣局の検定刻印も千分率表示です。
しかし日本の宝飾業界と一部歯科材は、昔からの慣習で金(Au)を24分率のカラット(Karat)で表示(K24、K18等)しています。
※プラチナとシルバーは、千分率でPt900やAg900(もしくはSv900)と表示します。
※金の品位(含有量)を示すカラット(Karat)と宝石重量のカラット (carat 1ct=0.2g)とは、スペルが異なります。イギリスではどちらもcaratと表示することもあるようです。
貴金属の刻印一覧表
※【835】【625】【500】の品位区分は平成24年4月以降に廃止されましたが、このホールマークが入った製品は、平成24年4月以降も品位が証明されたものとして扱えます。
この表はこちらのPDFを印刷して、査定するデスクマットの下などに置いておくと便利です。
24分率表示の純金含有率(%)は暗記してしまうのが一番早いのですが、あまり使わないと忘れてしまうものです。
その時には、例えば、K18は「18÷24×100=純金75%」、K14も同様に「14÷24×100=純金58.3%」という計算ができます。
逆に1000分率表示の刻印で24分率が判らないといった場合も「210×0.024=K5」と計算が出来ます。