貴金属は少量でも高価な為、イミテーションがつきものです。
偽物、イミテーションは、それを密かに造る側と、発見する側との戦いです。
金が貴ばれるようになった古来から、既に様々な金や銀の偽物が造られてきました。
一部に偽物が出回ることによって、本物への世間の信頼をも一緒に失墜させてきた歴史は枚挙にいとまがありません。
そのため古代から試金石検査や比重検査などの真贋を確かめる方法が存在しました。
発見する側は、常に最新情報を把握し細かくチェックして、まず貴金属リサイクル業界全体で偽物を出回らせない努力が大切となります。
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付け替え型
太いチェーンネックレスに華奢なPt850の金具がついているのは、どう考えても構造上不自然です。
その場合は、本体はメッキでPt850の金具に付け替えた可能性が考えられます。
偽物情報 Pt850刻印スネークチェーンネックレス
メッキ型
品物の表面に貴金属のメッキ(K18やロジウム)をかけて、見た目の色を貴金属と同じにした偽物です。
貴金属と比較して比重値が低いことから、手に持つと明らかに軽い偽物です。
中空で無ければ、比重計や試金石を用いた検査で看破することができます。
※メッキの中でも特殊な物として、表面メッキ厚を5ミクロン以上に付けた物があります。(通常のメッキはフラッシュメッキと言い厚さは1ミクロン以下)
これは厚メッキもしくは金張りと呼ばれて、【K18GP】【K18GF】などの刻印が打たれていることもあります。表面の金メッキが厚いと試金石で擦っても、表面金メッキの条痕が試金石に乗り、この状態で薬品検査に移っても貴金属の反応が出てしまうので注意してください。
封入型
内部に貴金属以外の詰め物をした偽物で、インゴットや太目のネックレス、置物などに多く見受けられます。
表面がある程度の厚みを持つ本物の貴金属なので、非破壊検査では判断が難しくなります。
写真は、実際にあった1Kgインゴットの偽物です。純金の外装の中に金と比重値の近いタングステンを封入してあります。
非破壊検査のみの制限であれば、試金石検査、比重値検査、蛍光X線分析装置の検査はパスする作りになっています。
見分けるポイントは、つなぎ目やシリアルナンバー他刻印、表面の波打ち方等があります。
またこういった封入型の偽物の特徴として、内部に何かを封入しなければならないので必然的にデザインはボリューム感があり、どちらかというとゴツイ印象の物が多いことが挙げられます。
通常一般の個人や法人が出来る各種の検査方法では、最終的に100%確実な結果を得ることはできません。
まず本物をよく見て、実際に手で触れて触感や温度、重さなどの細部まで知ることが重要になります。
偽物に出会った時に違いに気付ける観察眼を養います。