プラチナは、金や銀よりもずっと後に発見されました。
現在確認できる最古のプラチナは、紀元前700年頃のエジプトの神官の墓から出土した【テーベの小箱】の銀の象眼の一部からプラチナが発見されています。
しかし当時銀とは違う物質として個別に認識されていたのかは疑問です。
その後もプラチナは、銀や金と一緒に採取されていたようですが、この二つの金属よりも高温でないと溶解も加工もできないことから、1700年代以降になるまでは厄介な存在と顧みられることがなかったようです。
1800年代になって、錬金術から発展した化学分野でプラチナから新しい元素であるパラジウムやイリジウム、オスミウム、ロジウム、ルテニウム等の白金族元素が発見されてから大きく流れが変わりました。
融点が高く化学的に安定しており耐食性も優れている特性から、化学技術の発展と共に工業分野でプラチナが幅広く活用されるようになりました。
写真は、工業用のプラチナ部品です。
プラチナジュエリー
プラチナがジュエリーの素材として広く利用されるようになったのは1900年代になってからです。
銀のように硫化(変色)せず白い輝きを保つこと、小さな爪でもダイヤやカラーストーンを留められる素材として特長からアールデコのジュエリーに用いられました。
世界大戦でプラチナは軍需物質として徴収され、またプラチナの主要な産出国であったロシアで革命が起こって以降、プラチナの市場供給が不安定となり、ジュエリー素材として使うことが難しくなりました。
その頃に、プラチナの代替品として金にニッケルやパラジウムを合金して金を白くしたホワイトゴールドが誕生しました。
現在世界のプラチナ需要は工業メインですが、日本人はプラチナジュエリーを好む傾向があり、結婚指輪などでも需要は堅調に推移しています。
プラチナは、希少で通常環境下では変色もしないことから、人生の中でも大切な約束を象徴するのに相応しいと考えられているようです。
日本人のわびさびを好む色彩嗜好や歳を重ねた肌にも馴染む色、様々な場面で華美に主張しないことなどからも選ばれているのかもしれません。
プラチナ相場10年の価格推移チャート
過去10年のプラチナ相場の推移をチャートで見ると、2008年に大きく下落してからは、金の相場価格を下回る値動きが続いています。
※【過去の価格チャート】で直近の推移をご覧いただけます。
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